2022.10.22/230/図書館DVD
同じ〝石橋ユウ〟という名前の息子を持つ3人の母親。幸せだったある日、一人のユウ君が母親に殺された。歯車はどこで狂ってしまったのか。魂がぶつかり合う衝撃作。
キャッチコピーは〝息子を殺したのは私ですか?〟3人のうちどの母親が息子を殺してしまうのかと気になりながら観ていたら、まさかの結末。ミステリーっぽく煽っておいて、見事な肩透かし。こんなやり方で客寄せしたらマズイって誰も止めなかったのか。気が滅入ってしまう程のリアルな演技に圧倒される作品だっただけに、母親が息子を殺すというショッキングなミスリードをしなくてもよかったのでは。
3人の母親の視点で描かれる子育て奮闘記だが、夫や身内の男たちがあまりにもクズ過ぎ。途中、それぞれのユウ君がモノローグで悲痛な思いを語っているが、それは母親たちに届くことはなく、親子の関係にも亀裂が。そして母親のいら立ちが息子に向かい…。
TVスポットの〝大切な人を抱きしめていますか〟の方が〝息子を殺したのは私ですか?〟よりもしっくりくるが、けっして抱きしめただけでは根本解決にはならない。そこのかかわり方を観たかったのだが曖昧なまま。希望が持てるエンディングのようだが問題は山積み。