ゆず

Mr.ノーバディのゆずのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
3.9
「予告編ではミスリードさせて興味を引かせる」
――J.D.ポンポネット(映画プロデューサー)

「まんまとミスリードさせられて観にいきましたテヘッ」
――私(ノーバディ)



改めて予告編(日本版)を見てみると、やはりミスリードさせる(できる)ように編集されている。
つまり私は、主人公は「デス・ウィッシュ」みたいな感じと思って観に行ったんだが、実際フタを開ければ「RED/レッド」だったのだ。(どちらもB.ウィリスの映画だが、彼は関係ない)(ちなみにポンポさんも関係ない)
予告編では、主人公がREDであることには一切触れていない。なので、私は「デス・ウィッシュ」の明るいバージョンを本作に期待してしまったのだ。(別に「デス・ウィッシュ」好きというわけでもない)一般人でもキレるとここまで殺れるんだぞ…!と、そういうのを。(最近だと「アオラレ」がキレた一般人をめっちゃ強く描いてた)
そんな思い込みを持った状態で観たため、途中で勘違いが明らかになるまでは、「アマチュア無線が趣味なの?なんで職場で隠れて?」とか明後日の方向を見ていた(苦笑)

望んでいた内容とは違ったため、正直そこは不満がある。店で新メニューを注文したのに、よく知ってる料理が出てきたようなものだ。
ただ、その料理は嫌いではなかったし、シェフ(監督)も食材(役者)も良かったので、美味しくいただいた。
ひとつ、初めてちゃんと味を確かめた食材があった。おでん🍢(ボブ・オデンカーク)というんだけど、これが今までも食べたことはあったはずなのに、ちゃんと味わったのは今回が初めて。とても美味しい食材ですね🍢!どうして今までスルーしてたんだろう、🍢!(料理に喩えるのめんどくさくなったので元に戻します)

というか、「ジョン・ウィック」のキアヌ・リーヴスと比べたらやっぱりオデンカークは失礼ながら知名度低いわけで。そういう俳優を抜擢した意味を考えれば、それはつまりノーバディ感を出したかったから…なわけで。
そのキャスティングと予告編の相乗効果でミスリードを誘発させたんじゃないかと思った。
バスの中での取っ組み合いが一番好きなのも、そこらへんのオジサンでもやる気になればこれだけ戦えるんだという感じが(これミスリードだけど)滲み出ているバトルだからと思う。何者でもないオジサンでもキレたらなんでもできるんだと考えたら、勇気が湧いてきませんか?
ゆず

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