もうしんちゃんシリーズは声が変わってしまってとことん期待してなかったんですけどね。まさかまさかの素晴らしい傑作でした。
エリートが集まる天カス学園に体験入学することになったお馴染みの5人が学園内に起こるある事件を解決していく謎解きミステリー展開。
それに加えて風間くんとしんちゃんのガチ喧嘩なんかもあって、友情も確かめられるようなストーリーになっていました。
本作の素晴らしさはミステリー要素も十分楽しめることに加えて、それぞれのメンバーが活躍の場をしっかり設けられている点ですかね。まさおくんの憧れ、ボーちゃんの初恋、ネネちゃんの推理っぷり。そしてやはりいつもクールな風間くんの本当の思いと、しんちゃんの心意気。こりゃ熱い以外の何物でもないんですよ。
謎解きミステリーをメインとするのではなく、青春というつかみどころのないミステリーをテーマに置く。これは予想外の傑作でした。声優変わってなかったら間違いなくしんちゃん映画ベスト3に入ってたなー。
ただね、唯一気に入らないのはクライマックスの展開です。あの焼きそばパン競争のくだりに関してはどう考えても唐突だし、青春=走るって発想はわかるんですが、もうクレしんで走ると来りゃ名作『オトナ帝国』と重なってくるんですわ。それを想起させるようなあの展開はもう単純に乗っかったでしょ、としか思えなくて、もう少しパン競争への必然性とかあれば違ったでしょうが、工夫が足らなかったように感じてしまいます。