サンドラ

ハウス・オブ・グッチのサンドラのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

めちゃめちゃ面白かったな!最近観た中では、ダントツ!まさに魅惑の"GUCCI"。感じたことが色々ありすぎて、興奮冷めやらぬうちに記録。まずは、アダム・ドライバー結婚してください。ずっと言ってるけど、彼とライアン・ゴズリングは私の中で包容力爆発俳優の揺るがぬ双璧。今回も例に漏れず、登場の瞬間から、うわ〜。好き〜。もう結婚して〜。ってずっと思ってた。存在自体が包容力の塊。なんだあの優しさ純度100%の笑顔。でもそんな(役として富名声に振り回されるのを一番嫌っていた)彼でさえも、最後はGUCCIの魅力に取り憑かれる皮肉。そしてレディー・ガガ。あのいかにも良い育ちではない、それ故の富や権力への底抜けの貪欲さ、そして我の強さ、傲慢さ、品の無さ、ガガ自身はすごく理性的であろうに、それらをここまでリアルにナチュラルに感じさせる演技の表現力にあっぱれ。あとはネイティブでも流暢でもないからあまり分からないけど、尻上がりのイタリア訛りの英語もうまい。色んな場面で、教養溢れるマウリツィオとの対比が効いてる。女性視点としては、付き合いたてのラブラブっぷりや赤ちゃんができた時の幸せそうな二人、マウリツィオの気持ちが離れていることに気が付いた時の焦り、キスが口ではなくておでこだった時の落胆、節々で本物の愛情を感じたような気がしてしまうんだけど、やっぱりその根っこは"GUCCI"であって、ブレないなぁ、とひっくり返される。あとはアル・パチーノ演じるアルドが個人的には好き。家族思いで愛情深く、脱税や一瞬「GUCCIは俺のもんだ」が見えて、GUCCIの魔力恐るべし、となるんだけど、それでも勝手に株を売ったパオロを抱き締められる懐の深さや兄とその息子、さらにパトリツィアとの仲を取り持とうとする面倒見の良さ・おおらかさは本当に魅力的で、俺のもんだももうそれは矜持や自負の範囲に入るんじゃないかと思ってしまう。佇まいから滲み出るそんな魅力は、さすが名俳優の貫禄。パオロは終始頭が弱いんだけど、愛はあって、パーティーの取っ組み合いで「パパ」からのお前が噂のバカ息子かー!のくだりは笑えたし、憎めないキャラ。ファイトクラブをはじめ整った顔を武器にしないでおなじみの(?)ジャレッド・レトの株がまた上がる。difficult manロドルフォのジェレミー・アイアンズも激渋でめちゃくちゃかっこいい。ちなみに、フランキみたいな女は好きじゃない。監督はリドリー・スコットということで、GUCCIを使ったただの雰囲気映画ではないということは分かっていたけれど、その期待を優に超える満足度でした。特別ファッションに明るくはないけど、こういう角度でファッションという分野を見るのも興味深いなぁと思った。
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