No.3233
『もはや勝新に見えてきたアル・パチーノの迫力にビビる』
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一貫して「闘い」や「闘いがもたらす不毛さ」を描いてきたリドリー・スコット。
本作も、重厚なキャストによる壮絶な演技合戦が、激しくも悲しい「闘い」を描き出していく。
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衰え知らずのド迫力、アル・パチーノはじめ、本当に素晴らしい役者陣だが、個人的に一番惹かれたのは「切なさの中に狂気さえ漂う怪演」をみせたジャレッド・レト。
(『スーサイド・スクワッド』でジョーカーを演じた、あのレトですよ!!)
ある意味無双。
そのパチーノ、レトの親子見てたら、何だか『ゴッドファーザー』シリーズを久々見たくなった。
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今のパチーノは、マーロン・ブランドがドン・コルレオーネを演じたときの年齢(48)よりはるかに上だが、ブランドのコルレオーネが見せたような「男の色気」をビシビシ感じる。
「元々グッチ家の人間ではない」レディー・ガガが見せる「孤独感・疎外感」は、
『ブレードランナ―』におけるレプリカントたちが醸し出す雰囲気と、同じように私には見えた。
「造りし者 vs 造られし者」の構図はリドリー映画の特徴の一つで、ブレードランナ―のほかに『プロメテウス』でも見られる。
この巨匠の映画に登場するさまざまなキャラクターたちは、闘志満々なのに、いつもどこか「寂しげで切ない」。だから私は大好きなのである。
@T.ジョイSEIBU