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ハウス・オブ・グッチのd3のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.0
ブランドは富と権力の象徴であるがゆえに、あらゆる欲望の対象になる。手に入れることで、自分自身の価値まで上がったような気になるのだ。

もしブランドそのものが目の前に現れたなら、心を落ち着かせていられるだろうか。手が届きそうな位置にまで近づけば、その手を伸ばしてしまうのが人の業である。

家族経営の一枚岩が崩れてしまうと、誰もが「自分に権利がある」と思い込む。血族ではないパトリツィアでさえ、父親の会社を手伝っていたときから自己顕示欲の片鱗を見せた。刺激されたのだ。
価値が高まりすぎたブランドは、その価値の重みに耐えきれず、家族の手から離れてしまう運命にあるのかもしれない。
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