C

バズ・ライトイヤーのCのレビュー・感想・評価

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)
4.0
とてもよかった。
SFにそんなに興味はないけれど、わかりやすいストーリーラインと、バズの良さも悪さも優しく描かれていた。
ザーグのルーツが、そうだったのぉ?!という切ない驚きとともに明らかになって、トイストーリーの新たな一面が見えた。

何より、「多様性」を丁寧に考えて作られていたことが一番素晴らしい点だった。

同性カップルが出て来るが、いい意味で背景として描かれていた。
必要かと言われたら、あのカップルが同性である必要性は薄い。
それでは異性愛カップルである必要はあったか?というと、それも特にマストではない。
ストーリーラインとは関係のない背景としての描写。だからあえての同性カップル。
この選択が素晴らしかった。ストーリー上は必要ないけど、まだまだ、こういったメッセージが足りていない社会だから。
この程度の描写が引っ掛かる人は、自分の差別感情を自覚することをお勧めする。

わかりやすい美女も出てこなかった。
男性主人公の相棒となる女性キャラクターには、ルッキズムがつきものなのが定石。
美女なら主人公が「ワーオ」と言うし、
不細工設定なら主人公は「なんだあの女」とか言う映画をごまんと観てきた。
その度に、女性は見た目で評価されて当然だという「常識」が刷り込まれていく。

今回バズの相棒となるイジーには、見た目での評価は何もなされていなかった。
残念ながら、こういう描き方はとても稀有。

きちんとポリティカル・コレクトネスを考えて作られた映画はこんなにも観やすく、ストレスがなく、気持ち良く鑑賞できるのだと感動した。
C

C