ツクヨミ

モーリタニアン 黒塗りの記録のツクヨミのレビュー・感想・評価

3.8
心中真っ黒になりそうなアメリカの闇。
2001年同時多発テロの2ヶ月後にモーリタニア人のスラヒがアルカイダに関与したとして逮捕、4年後も収監されていた彼はアメリカ弁護士に出会う…
イラク問題に対してアメリカが行った処置を暴く実話。今作は実話を元にしアメリカ合衆国という国家が行った不当な尋問に言及しており、かなり胸糞が悪い印象を受けました。国家はここまで悪人を仕立て上げてまで同時多発テロの責任を取らせたかったのか…社会の闇を垣間見た。
そして今作はジョディフォスター演じる弁護士とベネディクトカンバーバッチ演じる軍大佐の両視点から問題を炙り出していくのが面白かった。具体的にはやり方が違う2人の捜査法をクロスカッティングで見せていき、ラストは事実の黒さもあってなかなかの胸糞カタルシスを生み出す。
楽しい作品ではないが、事実として忘れてはならない問題を認識できたかなとは思う。
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