9.11のリクルーターとして拘禁されたモーリタニア人の青年と、彼の弁護を引き受けた弁護士の闘いを描いた作品。
これが実話に基づくというから衝撃。
テロによって紛糾した世論と、それに応じるように躍起になる政府。
恐怖の連鎖が生んだ人権侵害とそれを蔽い隠そうとする国家の闇を克明に描き、現代社会に強く問いを突きつける。
ドラマとしては普通という感じでもあるが、内容の衝撃度が強くてあまり気にならない。
俳優陣の演技は見事。
特にタハール・ラヒムはさすがの素晴らしさ。
ケヴィン・マクドナルド監督が『ラストキング・オブ・スコットランド』や『消されたヘッドライン』と同じく、重厚な社会派ドラマに仕上げている。