映像美と音楽が良い。画的には素晴らしい演出だと思う。現実世界も仮想世界も背景の描き方が細田さんらしさが全面に出ていて細田守を見てる、という気持ち良さがあった。
現実世界のくすっと笑わせてくれる友達とのやりとりや、青春的な人間関係は面白い描かれ方をしていて良かった。前作から取り組んでいる見せ方的な部分がうまくマッチしていたと思う。
一方でアイコン的キャラクターたちのデザインや作画、そもそものキャラクター性は人によって好き嫌いがあるかもしれない。現実世界に対してCG的な要素が強いところもあり、またキャラクターそれぞれの世界観の統一のなさ(良し悪しでなはなく)に違和感を感じる点もある。
内容的にはシンデレラストーリー的な要素、学校社会のカーストや恋愛のような要素、ネット上の問題や虐待をとりあげていて前作よりは先が見たいと思うようなストーリーではある。特に虐待や親子関係に関してはえぐみのある所もあり、大人向けだが見応え有り。
ただ、脚本に世界観の甘さや疑問に残ることが多々あり、(これはバケモノやミライでもそうだったが)入り込めないところがある。映像などで引き込まれても、内容的に？が積み重なって映画館に引き戻されてしまう。それでも前作よりは良かった。
