しらす

竜とそばかすの姫のしらすのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
4.1
いやぁ。泣きました。
今作は演出も音響も素晴らしかった。
細田監督は本当に優しい人だなぁと改めて思いました。

細田監督は、いろんなことを「信じる」映画を作ってくれているように個人的に感じます。

今作では「SNS」の力を信じてくれていると感じました。

【現実では第三者の悪意を拡散する媒体となってしまっている「SNS」。
しかし、本当は人を結ぶ媒体のはずだ。
そして、悪意でなく善意が拡がれば、トラウマの克服や現実の悪に立ち向かうことができるはずだ。】
と、訴えかけてくれているように感じました。
その思いに感動しました。本当に優しい人だなと。

演出も素晴らしいです。
細田監督は今作もここぞと言うときにはBGMを使わない。
特に、お父さんとのSNSのシーンは素晴らしい。
このシーンは監督が役所さんの演技を信じてないと出来ない演出だと思いました。
ここはボロ泣きでした。

そして、ここまで観てくれている人達ならきっと気がついてくれると信じて、異常に強調しない伏線回収。
特に、ラストのお父さんと鈴のやりとり。この台詞で映画が終わった時、「完璧!!」って言いそうになりました。

他にも、中村さんの劇中歌は一曲一曲まるまる使うところや劇中の雨が降るタイミング、
細田監督お得意のカメラを動かさないでキャラクターが画角を出たり入ったりするシーンも素晴らしかった。

監督はスタッフやキャストを信じていて、
スタッフやキャストはそれに全力で応えている素晴らしい出来でした。
もう一回観たいと思いました。
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