わたあめ

竜とそばかすの姫のわたあめのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

細田監督が描く現代版美女と野獣とも言えるこの作品、言えるというか言わせてるの方が正しいと思う。

まず、カメラワークが最高でした。「やり直せる」と大々的に謳われているUの世界は動、それに対する現実世界で静であり、はっきりカメラで演出されていて鈴/ベルの心情がわかりやすいくらいでした。特に現実世界のかなり写実的で実写(の画面作り)と思うくらい丁寧いに描かれていたので、それだけで気持ちよかったです。さらに、作品への没入感が最高で、Uの世界の臨場感は震えました。

何より一番好きだったシーンが、るかちゃんとかみしんが駅で偶然出会ってしまうところです。こういうシュールな状況で笑いを誘ってくる演出が大好きなので、ずっとニヤニヤしていました。その後に鈴がベルであることがバレるシーンにつなげてくるのはただただ上手いなと。

現実が先にバーチャルの中に入るか、バーチャルが先に現実に出てくるか、というのが個人的に最近ハマっている話題であって、まさに今ホットな映画でした。細田監督の作品は「サマーウォーズ」もそうでしたが、リアルをリアリティに溶け込ませる、またリアリティをリアルに溶け込ませるのが本当に上手だなぁと改めて実感しました。

そして、劇中歌が最高でした。最近だと、「君の名は。」や「天気の子」でRADWIMPSが急に歌い始めたりすることがあったり、個人的にはかなり不自然で気持ち悪いな(でもいいな)と思っていたのに対し、今作では「音楽ってこうだよな」と表してるようで、映画を見ながら「そう、そうなんだよ」と頷いていました。

最後に余談になりますが、基本的に有名監督の作るアニメ映画は見にいくことにしているので、今作も予備知識は予告を一回だけ見たくらいで劇場に足を運びました。その時に着て行った服はちょうどUNIQLOでゲットしたばかりのYOASOBIの柄T。エンドロールに幾多りらさんの名前を見つけた時、「俺、大好きかよ」と心の中でツッコミを入れたことは鮮明に覚えております。
わたあめ

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