ほのか

竜とそばかすの姫のほのかのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.8
なんか予想外によかったんですけど………………。



よかったところとしては、登場人物の心情の描写がとても丁寧だったところがやっぱりいちばんかなあ。すずが物語の中心にいて、そのすずの心の中には母との、そして忍くんとの幼少期の記憶がこびりついていて、それを誰も笑わず無碍にせず、かといって腫れ物扱いせず突き放したりめんどくさがったりせず、すずが向き合う気になるまで同じように大事にしていてくれた。動けなくなってたら少し手を引いたり、そうとは悟られないように見守ったり、突き放されても内側に入れてくれなくても手を差し伸べたまま待ち続けたり、そうしてたところがよかったです。ちょっと泣いたモン……。
そう、あとそれが無理なく繋がってたのもよかった。あからさまやん!とか話のための設定ですね〜ってしらけてしまうのも少なくて、すんなりと彼らが入ってくるともう私はすぐ手のひらの上で転がってしまうのでやられた…と思いました、いい意味で。

現実世界でそうやってみんなに見守られ導かれてたすずが、理想の自分でいられるUの世界で導く側となって竜の手を取る、OZじゃなくてUである必要性がここでわかるのが個人的にはよかった。


歌もすき。特にOPの曲。予告であの曲流れるから見に行ったみたいなところもある。
映像美もすごい。さすが…。細かすぎてそれがびゅん!って動くからちょっと画面酔いした。Uの世界はCG絵っぽくて、現実世界はぴっちりした綺麗な絵じゃなくて、手描きなんかな?、表情の歪みとかに味がある感じで、それぞれの世界で違った、…ようにみえた…気がする……知らんけど…


ちょっと…って思ったところはまあ途中でわかっちゃったネ〜ってなったところ。サマウォっぽ〜いって思ってたらかずまくんみたいな子でてきてお察し……。
あと最後がちょっと雑な気がした…。

「ちょっと悪いやつに惹かれる」みたいなセリフがあったけど、どう考えても忍くんに惹かれるための物語…………。かみしんもかなりよかったけどなあ〜!るかちゃんもおもったよりすきやった。こういう物語でヒロちゃんみたいな子がいちばん性格悪いの意外すぎてすきやった。