このレビューはネタバレを含みます
「なぜ母は、名前も知らない女の子を助けに行って、母だけ死んだのか。わたしと一緒にいることよりも、名前も知らない子の命を優先したのはなぜなのか」
母の死によって、内気な性格になり、人前で歌えなくなった。
予告を見た限り、こんなに重たいテーマとは思わなかったので、冒頭から涙腺が緩んだ。
ベルと竜が出会って、竜のお城に行くところや、Uの世界では竜は邪魔者だと襲撃されるところとか、オマージュというよりは正に現代版美女と野獣をやろうとしてんのかなっていう流れで好きだったな。
台詞も似通ってたよね?
(関係ないけど、「お前をアンベイルしてやろうか」は「お前も蝋人形にしてやろうかー!!」を思い出してしまった)
でも、この流れで行くと冒頭の主人公の苦悩が解決できそうにないなあ、どうなるのかなあって展開に期待した。
そしたら、虐待されている兄弟を助ける話になって驚いた。
竜の正体が判明して以降の展開は、本当にヤキモキするもので、「登場人物の中に冷静な判断ができる大人はいないのか!?」ってひたすら思ってた。
現実だったら、子ども一人で虐待現場に行かせて止めさせようなんてさせないし、二次被害になるかもしれんのにな。(実際にほっぺたに傷を負わされたし)
いや、これは映画なんで、って言われたら、そうですねとしか言えんけど。
ただ、鈴があの行動を取ることによって、「母親の気持ちが理解できた」と現すのは、わたしにはしっくりこない。
問題提起(鈴の苦悩)が、解決策の説得力を持たせるのに難しい内容だったんじゃないかなと。
現代版(細田守版)美女と野獣が観たいです。