キョーカイ

竜とそばかすの姫のキョーカイのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

予告編を見たときはサマーウォーズの二番煎じ的な感じかなと思っていたが、結構内容は違ってた。

「リアルの自分」と「バーチャル世界の自分」の二者の存在がテーマだと思う。SNS時代の今にすごく合っている内容だった。

今は若者のほとんどがインスタやツイッターのアカウントを持っていて、それも匿名でやっているケースも結構ある。
その際には「リアルの自分」と「ネット上の名前で存在する自分」の2者が存在していて、違うキャラを使い分けていることもあると思う。
周りの人を見ているとリアルでは人生うまく行っていなくても、ツイッターでは数万人のフォロワーを持つアカウントだったりすることもざらなように感じる。

作品ではそうした存在としてベル=すずが描かれている。
田舎の冴えない女子高生がUの世界で突如人気者になるが、竜との出会いから徐々にリアルとUの世界が繋がっていく。

最終的にすずは自分の顔を晒してUの世界で歌を披露する。でもここでUの住人たちはすずの素顔を受け入れて応援した。ここに細田監督の「SNS上で本当の自分を出しても良いんだよ」というメッセージがあったような気がした。

あとは映像美と音楽の良さが素晴らしかった。ベルの歌声がめちゃくちゃ綺麗で、冒頭シーンの曲もすごく好き。

どれだけSNSの匿名アカウントで人気者になっても、リアルの世界からは目を背けてはいけないなと実感させられた。