ますち

竜とそばかすの姫のますちのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

書き出したら長くなってしまった…。
しかし書きたいことたくさんあったので、抑えてこれです。

まずやりたいことがよくわからなかった。すずがベルとしてUのなかで有名になっていくお話だけとか、元々有名だったベルの元に現れた竜のお話とか、どっちかに絞ればもっとまとまって見やすくなったんじゃないかと思うくらいには行先があっちゃこっちゃで疲れてしまった。
Uの技術も"すごい仮想空間!"というのはわかるんだけどサマーウォーズのOZより壮大で、OZよりリアリティに欠けるなぁといった印象だった。
アンベイルされたら生身がリアルタイムで仮想空間に映し出される技術すごいしどうなってんの??いちユーザーの竜が城を持っている環境も謎だったな…。なにか意味があるのかと思ったらなかった…。

また炎上者の特定晒しは現実のSNSでもあるけれど、本人かと思われる人物に一般女子高生が軽い気持ちでテレビ電話したり、コミュニティにあがったURLをなんの躊躇いもなくクリックしたりと、子供たちが犯罪に巻き込まれまくってるかネットリテラシーが相当高い人達の世界なんだなと思った。

人物の心境にも納得できないところが多くある。主人公はなぜあんなにパパに冷たかったんだ?ここまで冷たくするし、ママが川に流されてしまった時にパパがいなかったから不倫でもしてたのか…?と思ったら何も明かされなかった。明かされなかったということは何も無かったんだな。"母がいなくなったことで(父に対してのみ)塞ぎ込んだ思春期の娘"で片付けようとしてるが、愛する人を亡くして娘からも冷たくされたパパの気持ちはどうなっちゃうんだろうな。すずの「私はどうしてひとり…?」というシーンでも「いやパパいるじゃん!!」と思わずテレビに向かって言葉を投げてしまった。

他にも虐待現場にひとりで凸しようとするすずを送り出す大人たち。いや女子高生がひとりで行ってどうなる!?危険すぎるのによく送り出せたな!そこはUを活かしてどうにか出来なかったのか…?とモヤモヤしてしまった。結果風の谷の姫の様にキリッと立ちふさがったら王蟲の子供を助ける時の「いやだー!ラステルさん…」ばりに怯えた表情で父親が去っていくしよく分からんかった…。

歌のシーンは素敵だったので頭空っぽにして楽しむことに集中したかったのだが、それでも思わずつっこんでしまうような内容で疲れてしまった…。
これは『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を金ローあたりで見た時と全く同じ疲れ……。

そもそもすずがUに入ってからが本編だから導入をササッと済ませたいんだろうけれど、
お昼休み?にすずたちが廊下から生徒を見下ろして「あれがクラスの人気者の女の子で、あれが変わり者の男子で、あのイケメンが幼なじみで…」とササッと主要キャラ紹介してきてびっくりした。そしてササッと暗い過去説明して、歌うとなんか吐いてしまう…人生に絶望だァ…がササっと済まされて~が雑に見えてイマイチ作品に入り込めなかった。
『時をかける少女』めちゃくちゃ大好きなのでとても楽しみに視聴したのですが、結果としては個人的に全くハマらなかった。というか面白くなかったです。

美女と野獣も無理にオマージュしなくてよかったんじゃないか?
やりたいことが多すぎたんだ…。
・U(世界観や自警団など)
・すずの成長
・すずが恵を救う
・恋愛模様
・美女と野獣オマージュ
多すぎたんだわ……。
ますち

ますち