このレビューはネタバレを含みます
これは母性の物語。
美女と野獣のオマージュとか言われてるから、それにつられて酷評されちゃってる気がする。確かに美女と野獣のエッセンスは入ってるけど、この映画のテーマは完全に「母性」だ。
主人公の母親は冒頭で死ぬ。どうしてお母さんは私ではなくて、他の子を選んだのか。その答えが分からなくて、母親の気持ちを理解できなくて、主人公はずっと苦しむ。
主人公は、父親から虐待されてる子を見つける。モニター越しに、殴られてる「他の子」を見て、居ても立っても居られない。主人公は自身のアバターの死を捧げて、その子を助ける。そうして母の気持ちを少し理解することができた主人公は、一歩前に進んで、母親のいない世界を受け入れ生きていく。
母親が他の子のために死ぬなんて嫌だし、理解できないよね。
でも自分が母親になった今、自分ならどうするかって考えた時、娘と同じくらいの子が死にそうになってたら、助けに行ってしまうかも。たぶん体が動いちゃうんだよ。
いろいろ考えさせられる作品だった。
歌もすごく素敵だったし、映像も綺麗だった。人にオススメしたいアニメ映画の一つになった。