marutabatsuo

狂猿のmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

狂猿(2021年製作の映画)
3.8
まるで鬱からの復活劇、再び前を向き生きる男の姿に震える。
有刺鉄線、蛍光灯、刃物……、過激なデスマッチのカリスマ、笠井純。ヘルニアのため離れたリングに復帰を目指すが、心が燃えない。まるで普通のおじさんになってしまった男が自らを取り戻してゆく。

驚くほど過激でグロい映像が何度も流れる。けれどこれが彼らの生き様。怪我とコロナ渦が重なり、ある種の鬱状態から、ラストにかけて明らかに変わっていく生気漲る顔、声。
まったくのプロレス弱者、デスマッチなんて知識ゼロだったが、とても力のある作品に感動した。