剣々

狂猿の剣々のレビュー・感想・評価

狂猿(2021年製作の映画)
4.0
生きて帰るまでがデスマッチ

プロレスの中で凶器でもなんでもありな特に危険なルール、デスマッチ!
そんな中でカリスマと呼ばれているのが、プロレスリングFREEDOMS所属の葛西純選手
2019年度重なるダメージで首と腰をやられ長期欠場に入り、そしてコロナ禍を経てリングに舞い戻る
そんなカリスマを関係者や本人のインタビューを通じて描く

デスマッチのカリスマ葛西純のドキュメント作品
その過酷な試合の数々を物語る、夥しい量の傷跡が刻み込まれた身体が印象的なレスラーですね
作中の試合の映像だって、血に塗れ衝撃的で刺激的過ぎます!

改めて凄い選手なんだなと思う一方、家族について語る姿や怪我やコロナによる心境の変化や弱さは人間味を感じましたね
プロレスラーってやっぱり超人だと思いますが、こういう人間的な一面も人を惹きつけるんでしょうね

何より葛西純の口からでる言葉がカッコ良く、そして勇気をもらえるんですよね
歳をとるのではなくレベルが上がる、だから死ぬ直前が全盛期だなんて言える男がどれだけいるんでしょうか!

なんだかんだ書きましたが、正直言えばここ最近まで葛西純選手のことは全く知りませんでした
彼に興味を持ったきっかけは、2022年9月14日に行われたタカタイチデスペマニア
そのメインで行われた葛西純とエル・デスペラードのスペシャルシングルマッチでした
エル・デスペラードはかつて葛西純に顎を打ち砕かれて長期欠場したこともあり、この試合に死んでも良い覚悟で望むと発言
そして当日葛西純から勝利を手にするわけなのですが、そんなデスペに対し試合後葛西純が言った言葉があまりにカッコ良すぎて完全に心奪われましたね

それが以下の内容です
「お前よ、オレっちと試合する前に、こう言ってたな。燃え尽きて、死んでもいい覚悟でリングに上がるってよ。バカヤロー、世の中にはよ、死にたくて死ぬヤツなんていねえんだよ、お前。生きていてぇのに、死ななきゃいけねえ奴、生きていたいのに、死んじまう奴がゴマンといるんだよ!お前みたいによ、最高の仲間に囲まれて、たくさんのファンに応援されて、夢だった新日本プロレスに入門して、プロレスラーとしてデビューして、新日ジュニアのトップ取って、最高の人生送ってる奴がよ、死んでもいい覚悟でリングに上がるなんて言うなよ、お前!」
「オレたちはよ、死んでもおかしくねえ、大きなケガしてもおかしくねえリングに上がって、生きて、生きて、生きてリングを下りなきゃいけないだろうが!死んでもいい覚悟なんて、捨ててしまえ。死んでもいい覚悟なんていらねえんだよ!そうすれば、お前はもっと強くなる。」
動画(※血まみれです)だと↓
https://m.youtube.com/watch?v=0iER44mJApI

あまりにカッコ良すぎる男のドキュメンタリーでした
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