ろーしゃーく

地球で最も安全な場所を探してのろーしゃーくのレビュー・感想・評価

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またしても調査不足で、上映後Edgar Hagen監督のトークセッションがある事を現地で知りました…。

"核廃棄物の最終処理をどうするか"という、目下日本においても切迫している問題を扱った作品。

誰もが即座に思うだろうが「(最終処分場には)100万年単位で安定した場所が必要」という無茶な前提で、何故か未だに平然と原発を稼働しボコボコ核廃棄物を出し続けているというメチャクチャさ。冒頭からそういった各種の無茶苦茶さが次々と現れてくるので、終始クラクラする気分。最終処分場が決まってないのに"中間貯蔵地"だとかいう詭弁だったりね。

そういえばちょっと前に「仮定の事については考えない。」とか言った総理大臣が何処かにいましたが、それにも通ずる愚かしさ。差し挟まれるアニメーションにもそんな愚かさが端的に表れていてナイス。

「地元住民は反対するだろうが、国民的議論になれば他の地域が賛成する」とか、沖縄の状況なども重なって本当に醜悪だなぁと思ったり。醜悪といえば、金や雇用の為に最終処分場を引き受けるのって、未来永劫とも言える期間に渡る後世の子孫たちの事を全く考えていなくて、マジでクズだなと思いました。

原発に対する賛否は置いておいても、負の遺産とも言える核廃棄物をどうするか、という事は我々自身が当事者として考えなければいけない訳で、つくづく業が深くて暗澹である。
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