近本光司

アポロンの地獄の近本光司のレビュー・感想・評価

アポロンの地獄(1967年製作の映画)
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赤子は定められた運命から逃げることはできなかった。やがてかれは神託どおりに父を殺し、母と情を通じた。『オイディプス王』の数奇な人生に、パゾリーニは自分の半生を重ね合わせていたという。だが人物たちに語らせている科白に、彼がどのような思いを託していたのか、それを推しはかれるほどまだ作家のことを知らない。去る3月5日は、ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年。もうしばし作品を観ていくこととして、いったん判断留保。