いろどり

アポロンの地獄のいろどりのレビュー・感想・評価

アポロンの地獄(1967年製作の映画)
4.0
エディプスコンプレックスのもとになったギリシア神話「オイディプス王」。

1960年代の荒い映像が古代の雰囲気とよくマッチしている。前半の放浪の旅では、数々の土着の民族の独特の空気が荒野に映え、ミステリアスで妖しげな演出に成功している。

ペルシア楽器や日本の雅楽、口琴の音色、インドネシアのケチャほかワールドワイドな巡り合いは、まるで異世界へ迷いこんでいるかのような独自性があり、見るものを楽しませてくれる。

ラストで冒頭の現代とリンクし、何千年経っても繰り返される悲劇が映される。
宿命の歯車から抜け出せない姿にはカルマを感じたが、どうやらピエル・パオロ・パゾリーニ監督自身を投影させているらしく、ギリシア神話と自らの話を挟み合わせる監督の技量を感じた。
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