MasterYu

スペンサー ダイアナの決意のMasterYuのレビュー・感想・評価

3.4
1991年のクリスマスシーズン。
エリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスに集まったイギリス王室の面々。
結婚前から関係があったカミラとの付き合いを再開したチャールズの裏切り、パパラッチの執拗な付き纏い、伝統を重んじる王室の作法。ダイアナはストレスから摂食障害になっていた。
そんな中、王室の面々と過ごすクリスマスの3日間。身も心も不安定な彼女が、そこで下した決断とは・・・。

肉体的にも精神的にも追い込まれていたダイアナの描写が、本当に観ていてキツい。しかも舞台がエリザベス女王の私邸という閉鎖的な空間、更には不穏さを掻き立てるスコアと相まって、観ている側も押しつぶされそうになる感じがしました。
そして不安定な精神状態で苦しむダイアナを違和感なく演じ切ったクリステン・スチュワートの凄み。それだけでも観る価値は十分にある気がします。

ダイアナの理解者で衣装係のマギーを演じるサリー・ホーキンスは流石の巧さでした。
また侍従頭グレゴリー少佐を演じたティモシー・スポールもよかったですね。ゴリゴリの王室主義のグレゴリーと、ダイアナの理解者マギーという両極な2人のキャラの存在が、ストーリーのバランスをいい具合に取っているように思われます。
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