TadashiNagasawa

プリンセス・ダイアナのTadashiNagasawaのレビュー・感想・評価

プリンセス・ダイアナ(2022年製作の映画)
4.0
この映画への評価については、直前の横山ミィ子さんのレビューと、公式サイトのデーブ・スペクターさんのコメントに尽きる。

https://filmarks.com/movies/94672/reviews/141920510

https://diana-movie.com/comment.php

この作品の重要なテーマの一つが「ダイアナ妃の悲劇をもたらしたのは、パパラッチを暴走させた私たち一般人の欲望であり、それを助長させた情報社会、メディア社会のあり方だ」というのは間違いないだろう。
監督がパパラッチたちの「視聴者が求めているから」という言い訳の言葉を挿入したのは、それを私たち観客に突きつけるためだったはずだ。

だからこそ、この映画は作り手の意図の介在を最小限にしようと、リアルタイムの映像資料だけをつなぎ合わせた構成になっている。
同性である女性たちからの批判やパパラッチの加熱報道を通じて、その背後にあった社会の問題にまで切り込んでいる、見事なドキュメンタリー。

そうした作り手の意図を掬い取って、この作品の価値を理解してるのが、先の横山さんとデープ・スペクターさん。ぜひ読んでほしい。

それから、エンディングのZARDについても、日本の配給側で勝手に差し替えができるような映画てないことは明々白々。
日本側での差し替えを製作者が認めたのはなぜか(もしかすると、各国で同じようなことを認めてるのか)など、制作にまつわる事情を知らずに、短絡的な批判はするべきではない。少なくとも個人的にはこの映画に相応しい選曲だったと感じた。
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