あさ

マ・レイニーのブラックボトムが映画になるまでのあさのレビュー・感想・評価

4.0
こんなにいい教科書に手が届くなんて。昔だったらマ・レイニーDVDの特典映像になってたんだろうな。何はともあれ、配信だからこそ手が届いた。

社会規範から逸脱したマ・レイニー。白人男性相手に厚かましく振る舞う強さ。20年代の人物に対して、数枚の写真とレコードから各人が解釈し、理解し、表現しようとする姿に純粋に感動する。奴隷解放宣言やジム・クロウ法がない社会でも、何なら現代でも壁はある。アメリカでは自由になれない。社会って。

レヴィーの危うさは本編を見ながらヒヤヒヤしていたけれど、マ達よりも若い世代かつ彼の信念を考えると、これもまたアメリカ社会をまざまざと投影した人物。複雑な役所にアプローチしていたチャドウィック本人の映像がないのは悲しいけれど、映画を見ればいつでも会えるという言葉にもじーん。
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