胸を張って"私は美しい"と言える日がやってくるなんて、ソフィアやシュグに出会う前のセリーには、想像すら出来なかった事だろう。黒人奴隷制度廃止後のアメリカ。男達に虐げられ、子や妹とも引き離されて己を失った一人の女性が、とうとう立ち上がる。暴力で支配する術しか知らない憎むべきミスター。沼地に沈んでしまえと心の中で祈った。
大地から生えてきたかと思えるくらいの、力強い歌唱とダンスの数々に、拍手拍手。正直、シュグの赤い衣装は美空ひばりだなと。
深刻なテーマだが、ミュージカルであまり構えずに観られたのが良かった。1985年版は怖すぎて震えたもの。
紫を控えめに配したキルトがとても素敵。
