タクマ

帝銀事件 死刑囚のタクマのレビュー・感想・評価

帝銀事件 死刑囚(1964年製作の映画)
3.7
見たで。
日本犯罪史最悪の冤罪事件と言われる帝銀事件を映画化。
占領下の圧力に屈するしかない時代性、不十分な証拠と強要で勝ち取られる自白。そんな中で無罪の可能性が高い人間に言い渡された死刑…今の時代にも通ずる人が人を裁く重さを描いた激作。人間と真実とは…
テレビの再現ドラマなんかでざっと事件の名前を聞く機会はあったけど大まかな全容をちゃんと知ったのは今回が初めて。仮に日本で刑事裁判にかけられたそれで無罪を勝ち取れるのは全体の数パーセント位だと言うのを聞いた事がある。もし平沢氏が本当に無実だったら彼が味わった苦痛ってどんなものだったろうか?自分がやってもない事件でいきなり逮捕されて一方的に死刑を宣告され次の日殺されるかもしれないと言う恐怖を味わう毎日…自分だったら発狂して死ぬなと思うが同じような冤罪事件が生まれる可能性がある限りこの映画の様な存在は大切になるんだとも思う。
事件の当事者達の苦しみだけじゃなくその家族達が受けた被害も描いていて1つの決めつけや先入観がもたらす悲劇も描かれていてネットやメディアの報道から極端な思考に走って暴走してしまう現代にも通ずる所だと思った。
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