あぁ、愛おしき肉子ちゃん。太っててブサイクでアホな肉子ちゃん。肉子ちゃんみたいになりたくないって言葉はきっと半分本当で(笑)、もう半分は肉子ちゃんみたいにはなれない、じゃないのかな。
愛すべきお人好しってキャラクターって結構ありがちなんだけど、肉子ちゃんはお人好しとはまた違って、愛の人でありアホな人。「お前ほんまアホやなぁ」とつい笑っちゃう、そんなアホ。運動会でがむしゃらに走る肉子ちゃんにはなぜか泣いたし、それを恥ずかしく思う喜久子にも共感した。”家族”だから恥ずかしいんよな、わかる。
描かれる喜久子の学校での人間関係や生い立ちはポップなアニメーションで柔らかく描かれてるけど本質は息苦しく不憫なものでもある。
でもチック症の二宮との出会いが心を軽くさせ、サッサンの丁寧な言葉が生まれてきたことを肯定してくれたようで、肉子ちゃんの存在はどこまでも温かく自分の居場所になってくれた。どれもがさんまさんの金言「生きてるだけで丸儲け」に通ずるようで、なんだかすごく勇気が湧いた。普通でいいし恥を書けばいいし傷ついていいんよな。正直美談にできない設定だし肉子ちゃんのアホさに腹も立つは悔しくもなるけど、なんか救われたな。心のお守りになった映画です。
そして26歳の今、吉田拓郎氏の「イメージの詩」という名曲を知ることができました。ありがとう。