バカリズムの脚本の魅力は細部だと思う。
「架空OL日記」「住住」などの自然な会話は最高だったし、
「殺意の道程」は殺人の計画・実行の細部の描写を徹底するとふざけていなくても笑える。
というのはとても新しい発見だった。
本作は細部ではなく、構造だった。
ミクロではなくマクロ。
ヤンキーものの構造をメタ的に扱って、
「主人公とは?」「勝利とは?」
という題材に取り組んだはずが、
ふんわりしてしまっている。
本作の一番の魅力は個性豊かな女優陣だが、
いわゆるヤンキーものの衣装や髪型、メイクで、
台無しになっている。
細部ではなく記号に頼っている。
「架空OL日記」は皆同じ衣装でも、
繊細な演技でそれぞれの個性を感じられた訳で、
せっかくの女優さん達があ。
せめて、ケンカの時だけ服が変わる
にして欲しかった。
どこからどこまでが、脚本だったのか?
監督?プロデューサー?
設定の面白さは予告編で十分で、
それを越えた所がなかったな。
いうまでもなく、
アクションが絶望的に長い。
最初と最後以外は
前後だけ見せて、
ばっさりカットで良いはず。
だらだら長い。
みんなでアクション頑張ったから見てください
のお遊戯会が見たい訳ではない。
バカリズム脚本"監督"の作品がそろそろ見たいな。