HirokiNishizawa

地獄の花園のHirokiNishizawaのレビュー・感想・評価

地獄の花園(2021年製作の映画)
2.7
バカリズムの脚本の魅力は細部だと思う。

「架空OL日記」「住住」などの自然な会話は最高だったし、
「殺意の道程」は殺人の計画・実行の細部の描写を徹底するとふざけていなくても笑える。
というのはとても新しい発見だった。

本作は細部ではなく、構造だった。
ミクロではなくマクロ。
ヤンキーものの構造をメタ的に扱って、
「主人公とは?」「勝利とは?」
という題材に取り組んだはずが、
ふんわりしてしまっている。

本作の一番の魅力は個性豊かな女優陣だが、
いわゆるヤンキーものの衣装や髪型、メイクで、
台無しになっている。
細部ではなく記号に頼っている。

「架空OL日記」は皆同じ衣装でも、
繊細な演技でそれぞれの個性を感じられた訳で、
せっかくの女優さん達があ。
せめて、ケンカの時だけ服が変わる
にして欲しかった。

どこからどこまでが、脚本だったのか?
監督?プロデューサー?

設定の面白さは予告編で十分で、
それを越えた所がなかったな。

いうまでもなく、
アクションが絶望的に長い。
最初と最後以外は
前後だけ見せて、
ばっさりカットで良いはず。
だらだら長い。
みんなでアクション頑張ったから見てください
のお遊戯会が見たい訳ではない。


バカリズム脚本"監督"の作品がそろそろ見たいな。