ロビン

スーパーノヴァのロビンのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
3.6
こういう作品はミニシアターで観るに限る。
とても沁みる作品。
『ゴジラ対コング』の後に観たので“超動”の映画から“超静”の映画へのギャップが凄過ぎる。。
イギリスの田舎の美しい風景の中、回想や過去の描写を挟まずほぼ二人の会話と表情だけで進む静かな静かな映画。
号泣するというよりジワリと泣けてくる。

ピアニストのサム役のコリン・ファースと作家のタスカー役のスタンリー・トゥッチの演技が素晴らしいので、2人の感情の細やかな動きだけで構成されたシンプルな作品なのに観ていて飽きさせない。

それと少し前に公開された 「ファーザー」と同様に認知症を扱った作品だけれど、この作品では認知症になり始めた時期を扱っている。
なので、劇中離れた場所までワンコのルビーの散歩に出たタスカーが、呆然と立っているのをサムが発見しハグするシーンぐらいしか認知症なんだなと感じるシーンは皆無。

もし愛する人が自分を忘れてしまうなら、もし自分が愛する人を忘れてしまうなら、自分はどういう選択をするだろうか。。
愛しているから手放したくない、愛しているからこそ手放して欲しい。。

余韻を残すラストも、ひとつの正しい答えはないのだということを強く感じさせる。

それとワンコのルビー可愛いくて、癒やされる。
エンドロールにも名前がちゃんとあって嬉しくなる!
ワンコ好きだから余計にそう思うのかもだけれども、彼等二人の旅にルビーが居てくれてとても良かったと思った。

「失うのが悲しいのならそれは良きものだった」
ロビン

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