コマミー

スーパーノヴァのコマミーのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
3.7
【付き添わせて……】



"スーパーノヴァ"・・・日本では超新星と呼ばれる天体で、質量の多い恒星(こうせい)やその残骸である白色矮星と言うものが一生の最後に大爆発を起こし、1つの光り輝く天体のように見える現象の事だ。

"人生の分岐点"は、突然訪れる。

それを最も深く感じるのは恐らく、人が大病や衰えを患った頃に感じるものだろう。

今回に関しては、友人に訪れた記憶力の減少…"認知症"だ。しかも若年性……まだそれを患うには若すぎる自分の"大切な人"からそれを告げられた時、どうゆう行動をすべきなのだろう。

自分の病のせいで愛する人に迷惑をかけたくないから"ある決断"をする"タスカー"とそんなタスカーの"1つの人生の最期"まで、"付き添う"のを辞めたくない"サム"。このカップルの"静かで美しい愛"の形には、胸が締め付けられた。
タスカーのある決断には、身勝手だって思う反面、タスカーがたどり着いた"1つの愛の表し方"なのだとも捉えられる。

そして本作で出てくる"星達"は一層綺麗だと感じた。まるで2人の"思い出の象徴"のような気がして、本作のテーマにぴったりだと感じた。いくつも形を変えても"美しさは変わらない星達"のように、タスカーがサムやましてや自分が何者かを忘れたとしても、2人の愛は永遠に"サムの中に生き続ける"のだと。

タスカーとサムの掛け合いに、とても"神秘的な愛"を感じ、素晴らしい生き方だとも感じさせる。

非常に趣深いラブストーリーでありました。
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