持て余す

ある用務員の持て余すのレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.9
すっごいアンバランスで、すっごい面白い。こういう映画に出くわすととても嬉しくなる。

おそらく、こういう映画が嫌いな人もいるのだとは思う。歌なんかでも荒削りでしばしば音を外しているけれど、熱量の高い歌手を「ヘタ」の一言で片付けてしまう人はいるけど、巧拙と優劣と好悪って似ているけれど、それぞれ違った基準で、この映画で言えばおかしなところはたくさんあって巧みな展開って感じじゃないけれど、決して劣っていないし、こういうの好きだ。大好きだ。

極めて漫画的な殺し屋たちの息遣いがとても良くて、二次元ではたくさん見たパターンを実写で見られることに興奮してしまう。アクションもキレキレですごく楽しい。中でもやっぱり『ベイビーわるきゅーれ』のふたりは圧巻で、そりゃあこの2人で独立した作品にするよね。まだ見てないけどね。

前野智也のああいう役柄とか、強面な般若のあの感じとか、やっぱり渡辺哲はこうだよなあとか、役者の配置も楽しい。これまで知らなかった役者もたくさん出ていて、とても新鮮だった。好きな役者がたくさん出ているのも嬉しいけれど、それまで知らなかった人のインパクトは楽しい。

ただ、どうしたわけかメインのふたりがピンとこなかったなー。

他のキャラクターはイキイキしていたのに彼らは定型の漫画的主人公とヒロインの枠から出ていなくて、魅力に乏しいと感じてしまった。これだけ色の薄い役柄だとよほどのスターでないと少しばかりキツいと思う。

さて、『ベイビーわるきゅーれ』見たいのだけど、現状(2023年5月現在)U-NEXTでしか視聴できない。どうしたものか。
持て余す

持て余す