きゃら

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のきゃらのレビュー・感想・評価

3.7
ずっと観たいと思っていた映画で今回映画館で再上映された為、鑑賞。

キャストの奇抜さは知っていたけど内容についてはあまり耳にした事はありませんでした。
観ると想像していたのと違いなかなかハードでショッキングな内容でした。
「戦争映画」と言えるものでした。
題名に「戦場」と入ってるからわかってはいたんだけど。
軽い気持ちで観た自分の甘さを嘆きました。

第二次大戦時のジャワ島の日本軍の捕虜収容所が舞台。
その中で「道」を外れた者は厳しい処分を受ける苛烈な状況。
見ていてとても辛かったです。

そんな苛烈な状況の中、敵である捕虜との間に芽生える情や感情も同時に描かれています。
ただはっきりとした描写はあまりありません。
こういう状況下ではそれぞれの本当の情や感情は他人には明かさず本人にしかわからないのではないかと感じました。
人間の複雑さや深遠さを想いました。

収容所での汗まみれで汚れた軍服や捕虜達のくたびれた様子はとてもリアルでした。
そんな中、デヴィッド・ボウイさんの美しさは際立っていました。
坂本龍一さんの唯一無二の雰囲気も印象的でした。
そして、たけしさんが1番素晴らしかったです。
佇まいからしてこの役を体現していました。

あの楽曲は言うまでもなく美しかったです。

あのキスのシーンと髪の毛を切って取るシーンには心を揺さぶられ、有名なラストのたけしさんのシーン、これらのシーンは忘れられないものとなりました。

戦時下の狂気と戦争の悲惨さを改めて思い知らされる作品でした。
きゃら

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