戦場のメリークリスマス 4K 修復版の作品情報・感想・評価

「戦場のメリークリスマス 4K 修復版」に投稿された感想・評価

村

村の感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 おっふう…。
 「メリークリスマス ミスターローレンス、メリークリスマス!!」ここバチバチに決まってた。顔のより具合も。たけしの演技も、特に目。照明も緑寄りのシアンと暖色のベタだけどいい感じの組み合わせ。だいぶバチバチに決まってた。そりゃあこのカットの場面写真有名になるわな!という感じだった。
 1番始まりのシーンが真っ青で、たけしが捕虜を棒かなんかでぶん殴っていた。「あ、この映画の夜は青ね〜」という気持ちと「痛!見ててきついなあ暴力」という気持ちが湧いて始まったこの映画。僕は最初この映画からテーマを汲み取ろうとして、反戦か?捕虜と看守の絆か?と勘ぐっていた。いや、理解とか解釈とかしにいったら負けだったな〜。自分の中のバイアスをなるべく無くして映画を観るべきという発言がここにきて自分に響いた。
 なんとか自分と近い距離に映画を置いて観たかったけれど、この姿勢はこの映画においては正解じゃなかった。というか狂気に陥っている戦時中の人に共感できる人とかいるのか?出兵する人を送り出す人、家族を故郷に置いて涙する人、悲しいけれど相手を殺すしかない人…そんな感じならばもちろん共感も同情も感情を揺さぶられもする。ただ、この映画において共感していいのか?戦時中でない常識で判断しているからだけど、たけしたちが捕虜にしている仕打ちは過剰だったように思う。罪に対して罰が重すぎやしないか。もし共感が欲しかったらたぶん、もうちょっと葛藤するシーンとか入れ込むのでは?わからんけど。
 照明と音楽、よかった。夜はたぶんアンバーとシアンが基調、昼間は森の緑と軍服の緑が重なり合いむき出しになる肌がわかりやすかった。日の差し込むブラインドの影が顔にかかっているシーン、面白くて良かった。自然光でやっているのかはわからんけれど偶然性にのっとって面白いことをやっているのは好きだった。人口の光がない夜はめっちゃ青くて、微妙と思うこともあった。
 音楽、テーマ曲が思ったより重低音が効いていておどろいた。冒頭から流れたから「へえ」と思ったけど、そのあと何度か劇中で流れたからギリ安心した。あんなに優しい大人なのに、人物たちか暴力を振るうのはなぜなのだろうか。
 ローレンスの死を表すのに、髪を切り取っておくことと敬礼、虫が顔に着陸する様子を映すのは面白かった。死んだことを表立って語らず、映像で表現する。芝居で表現する。とてもよかった。でも死んだ顔を写す時青すぎた。たぶん、テーマ色なのかもしれない。
 テーマを探したり、登場人物の感情の筋道を探したりしながら鑑賞していたらだんだんうとうとし始めていた。やばいもったいない、と姿勢を変え足を組み替えみていたけれどほんの少し寝た。捕虜2人が脱走に失敗し牢屋で回想するシーンあたりだ。捕まったあと、壁にもたれてローレンスとボウイが回想し始めるシーン。ローレンスの回想で寝て、ボウイの回想始まりで目が覚めた。起きた途端画面がカラフルだったから、寝過ごして次の英語になったかと一瞬だけ思った。緑がベースに黄色い縁取りの制服。劇中にでてくる高校の建物としての構造が面白くて、どうやって見つけたのだろうと思った。また、このシーンからの一連のボウイの行動にだけ説得力を感じた。彼は弟に行われたいじめを見て見ぬ振りし、それがいまだに心の中に残っている。原作のタイトル「種子を蒔くもの」の種子はこれか。彼の中で申し訳なさというか、後悔の念がむくむくと育っていたから他の捕虜の殺害を止めに入ったのだろう。弟と共に歌う勇気のなかった自分を乗り越えようとしたのか。
 他のレビューにセクシャルマイノリティへの言及があった。個人的には劇中での彼らの扱いは、「戦時下で気が狂いそういう欲求を抑えられなくなった人」であったと僕は捉えていた。もちろん現代においてそういう捉え方をしているわけではない。多様な性が認められるべきだと思う。ヨノイからボウイへそういった類の愛があったのか。確かに何か特別扱いをしている節があった。僕はそれを「同性への愛」というより「なかなか口を割らない敵軍兵士へのリスペクト」だと思っていた。前者の方が辻褄が合うのだろうか。
 言ったかもしれないけど、看守と俘虜の絆物語ではないのだと思った。ていうかそうでないものであってほしい。もちろん、戦時中に正解などなくみんなの正義がぶつかり狂っていく。それはもう戦争という異常な状態だから仕方ないかもしれない。また、個人個人にとって感じられる生死の重みもバラバラになるだろう。でもこの映画を絆物語にしてしまうと、振われた暴力はなんなのか。暴力はコミュニケーションツールではないと思う。これをコミュニケーションツールとしてしまったら、DVとか体罰を容認することになる気がする。ぼくは認めないぞ!
 よく考えてみたら人がどんどん死んでたなあ。日本軍にとって死は名誉であったり罰だったり。俘虜にとってはやっぱりそういう死は気が狂っているものだった。そういう差を描いていたのかな。
 さっきmerry Xmas Mr.Lawrence を聴いて登校していたら目の前で人が倒れた。意識はあったみたいだけどその後も何度か倒れた。他の人が介抱しに行ったけれど、僕はきょろきょろしているだけでその場を離れた。耳では坂本龍一が演奏をしているけれど、その時の僕は高校の時のボウイだった。
 お、いいな!と思うカメラワークはあまりなかった。ラストシーン、たけしのよりになる前のカットのあの俯瞰はなんでだろうかと思った。あの時のローレンスの顔を見たかった。時々シンメがあって好きだった。裁判所でのシンメ、なんで人もシンメじゃないんだよ!と思ったら俘虜側に弁護士がいないながらああなるのか。なるほど。今書いていて理解した。
 ヨノイ登場シーンの切り返し気持ち悪かったなあ。いや、そこ影だったんかいーってなった。
 戦時下の狂気。死という罰、神への奉仕。その様子をおかしいと思っている僕は俘虜側の思考になっているのか。その様子をおかしいと思っているということは、今の僕は戦時下の思想の逆が良いと思っているのか。申し訳ないけど、平和っぽい世界に生きさせていただいてます。
 古い映画だと思っていたから、あまりカメラが動かないと思っていたら結構動いた。ズームもするし、カメラ自体も動いた。とはいえあまり効果的とは思わなかった。
 狂気とか気持ち悪さに満ちた作品は僕が気持ちよくて正常で純粋だと思っているものを見直す機会をくれる。この作品は気持ち悪いというより狂っていたけれど。わかりにくさも同様に僕に何かを教えてくれるのかもしれない。わかりたい!と思って映画を観た時に映画が突き放してくる。わかりたい!のアプローチではコイツは良くないのか!と気づくことができる。
 たけしたちはどういう感情を作って芝居をしたのだろうか。脚本を読んで、どこまで入り込んだのだろうか。
 時々音が微妙だった。まず、俘虜が看守側の日本語を学んで喋っていることを理解するのに数分要した。ん?字幕ないけどなんだ?からあ!日本語ね!まで少し。ハラ軍曹て言ってたのね!みたいな。
 戦争映画というバイアスがかかって観ていたから、たけしたちとローレンスが交流しているのに少し疑問が湧いた。なぜ殴られるのに仲良くすり寄るのだろうと思った。いつかこちらが勝つという発言がローレンスからあったけれど、ではそれまでのこの中良さそうな交流はなんなのか。日本軍は戦時中気が狂ってしまっているから、可哀想だから同情しているのか?理由がわからなかった。心理的に人質が立てこもり犯と仲良くする感じか?
 興味深い作品だった。また、観てみたい。
 
Kazue

Kazueの感想・評価

3.9
想像してたものと違いすぎて動揺を隠せない笑笑
色々な意味ですごかった

映画って、恋愛〜とか友情〜とか嫉妬〜とか色んなテーマあるけど、この映画で伝えたかったことは結局なんだったんだろう...
脚本が複雑(?というかある意味ぶっ飛んでる?)と思った

キャストは豪華すぎた
デビット・ボウイにたけし、そしてなんと言っても坂本龍一。マジで坂本龍一最高過ぎ。
そういや、実家にあるデビット・ボウイのCDのジャケットを見て、小学生の頃の私めちゃめちゃ怖がってたの懐かしい笑笑

あと、音楽はThe坂本龍一だった。ほんとに天才だと思う。

でも、それにしても訳が分からなかったな〜
もう1回見直さなきゃとは思う。
ami

amiの感想・評価

4.2
帰り道の気まぐれで鑑賞
うまく言葉にできないが、
見て良かった
napolitas

napolitasの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

素敵なシーンは多い。絵と音楽に寄せるか、または物語性に寄せるか、どっちかに振り切って欲しかったという気はします。
daisuke6

daisuke6の感想・評価

4.6
冒頭からずっと引き込まれてた!
坂本龍一のピアノとデヴィッド・ボウイのキス。目先の笑いや感動を求める動画全盛期の現代人にこそ、この全編を目を逸らさず見て欲しい。
メリークリスマス。メリークリスマス!ミスターローレンス!
fm

fmの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

4K修復版のため、さすがに映像が美しく、大島渚特有のシンメトリックで凝った画が堪能できる。

が、全体的にどうも淡白。
「拷問と脱走」というこの手の捕虜映画の肝にスポットが当たっておらず、デビッド・ボウイ、坂本龍一、そしてビートたけしを鑑賞するためのアイドル映画になっている。
あのボウイに引けを取らない知性と妖しさを湛えた坂本教授の存在感は見事というほかない(音楽も担当してるし)。
主役の一人であるトム・コンティ(ロレンス中佐)に華がないため、たけしと対になっていないのが難。

大筋として「イギリス人から見て日本人は個々としては付き合えるものの(つまりは性愛の対象として愛せるものの)、集団になると同調圧力に応じて残虐になるし、自死を誇りに思っている。しかしそこには我々イギリス人とどこか通じた精神性があるのだ」というような話だと思うのだが(それと戦争被害とトラウマ)、当時の日本兵のメンタリティがそこまで描き切れてるとも思えない。
戦争映画特有の臭みがないため、漂白された印象が付きまとう。
ボウイの背中の傷の小ささがそれを物語っている。
そのため、映像美は堪能できるものの、どうも話に熱中できない。
とくにイギリスの回想シーンは退屈。

途中から、出演者でバンドを組んだらボーカルはボウイ、ギターとコーラスはジョニー大倉と三上寛、教授がシンセ、曲はまあ「い・け・な・いルージュマジック」みたいな感じで、ボウイが歌ってたら途中で内田裕也が登場してマイクを奪い「コミック雑誌なんかいらない」を歌うんだろうな、などと妄想していた。
気付いたらなんとボウイがカラッカラに干からびて絶命し、顔に蝶が止まっていた。

…ともあれ映画はラストがすべて。
破顔一笑のたけしが「メリークリスマス!ミスターロレンス!」と叫び、教授のあのメロディが響き渡ればそれでよかろう。
家に帰って思わずたけしのモノマネをしてしまったのは言うまでもない。
び

びの感想・評価

-
序盤頭フル回転。
完全に世界に引き込まれた。
ただ呆然と観ているだけでは理解できない、内容について行かせられた。
何回も観たいと思った。
一回観ただけでは済まない映画だった。
徒然

徒然の感想・評価

4.0
デヴィッド・ボウイの美しさが堪能できる映画。
坂本龍一の、荒削りな演技だからこそ日本人の武士的な、ありのままに感情を表現しない性格さがよく伝わってきた。
次観る時はハラとロレンスの友情に注目しながら観たいと思う。
映画を見終わった後、余韻に浸っていると坂本龍一の曲が流れてきて包まれる感覚に陥る。とても素敵な曲。

早口が多いため、正直日本語にも字幕が欲しい。
zucca

zuccaの感想・評価

3.3
おそらく当時の人のように、戦時の日本の思想に興味があると、外国人との衝突がセンセーショナルに感じて面白いかも
展開が少しダレて感じた
こいけ

こいけの感想・評価

5.0
良かった。

このテーマ曲がなぜ素晴らしいかというと、メロディは日本の民謡音階とも言われるヨナ抜き音階を使用してオリエンタルな雰囲気を出しつつも、和声は西洋音楽によくある終止形のコード進行でクラシックの響きになっている。つまり、音楽においてもデヴィッドボウイと坂本龍一、西洋と東洋の交わりを描いている。凄いぞこれは、最初聴いてて気づいた時はまじで興奮した。

その他の劇中歌でも結構そんな感じの作りになっている。特に雅楽っぽいメロディラインを意識した曲もあった。

デヴィッドボウイが坂本龍一にキスした瞬間何かが起きてた。あそこはすごいシーンだった。
テーマ曲は言わずもがな良いんだけど、劇中歌はなんかちょっと微妙に思った。

なんか白黒時代の大島渚の作品しか見たことなかったけど、これみてだいぶ大島渚作品のイメージ変わった。
あと画質すげーいい
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