りょう

三姉妹のりょうのレビュー・感想・評価

三姉妹(2020年製作の映画)
1.2
 三姉妹とも幼少期の家庭のトラウマなどが原因で、うまく人格形成されていない印象です。韓国に特有な女性の社会的地位などとも相まって、それぞれに生きづらさを感じているようで、その描写はとてもリアルでした。
 ただ、この三姉妹にはまったく共感できるところがありません。ほとんど主体性を感じられない長女、子どもにカルト宗教の信仰を強要(児童虐待)する次女、自堕落でアルコール依存症の三女、そもそもなぜ結婚できたのかもわからず、その家庭生活は当然のように破綻しています。彼女らの家族なども含めて、それぞれの言動に同情できる要素がありません。
 とりわけ三女の飲食シーンと咀嚼音の不快感がハンパなく、この意図的な演出に嫌悪感すらありました。最後には何らかの救済が描かれ、その過程に感動が伴うことを期待して最後まで観ましたが、中盤までの展開を挽回するには至りませんでした。
 とても評判のいい作品で、あくまで個人的な感受性とマッチしなかっただけなので、これ以上の否定的な感想は控えますが、とても残念な作品でした。三姉妹のキャスティングは、それぞれのキャラクターにマッチしているという意味では絶妙ですが…。
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