外で会う幸せそうなあの人たちも、実は家に帰ると色んな問題を抱えている。そんな風に思ったことは何度もあるが、それを映像にしたような序盤だった。観ているのが辛い。
混沌としたエピソードが終盤から伏線を回収しつつ原因にぶちあたるあたり、うまいなと思った。終盤のスピード感がよい。
宗教に関するエピソードも興味深かった。お祈りできなくて罰を受けるとか、不倫しながら聖歌を歌うとか、ものすごい矛盾。祈りながらトランス状態に入るのも、声かけられてすぐに洗礼にもっていくのも、かなりカルトな感じがする。
そしてキャスティングが、もうこの人じゃないと考えられないというくらいジャストフィット。みな実力派で、どこにも客寄せパンダみたいな人がいないのが良かった。
止めに、イソラの『愛ではないと言わないで』という曲。これはLOSTというドラマでも辛い場面で流れたが、非常に感情を掻き立てられる。この映画のラストに相応しいかどうかはわからないけど、涙が出そうになった。