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ボストン市庁舎のなるのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.0
トランプが退任し、バイデンが大統領になり早10ヶ月を迎えます。
そのバイデン政権の労働長官として白羽の矢が立ったのは前ボストン市長のマーティン・ウォルシュでした。

本作は当時ボストン市長であったウォルシュ及び彼がリーダーシップをとるボストン市がどのような役割を果たしているかを追うドキュメンタリーフィルムです。

その歴史的背景から、ボストンは「移民の街」であり「多様性」を持つ街です。つまりさまざまな価値観が住民の間で存在します。
ウォルシュやボストン市は、住民のさまざまな要望を聞くため、そして市民にとって「良い暮らし」を送れるよう奮闘します。

ウォルシュのセリフにもあるように、「ボストンの課題解決がアメリカ合衆国全体でも解決できるわけではない」ですが、「ボストンが世界の見本になる」ことはできる、彼は熱く語ります。

ドキュメンタリーの撮影の仕方によっては市長が偽善者に思えてもおかしくないですが、本作ではそれを感じません。
なぜなら、ウォルシュやボストン市庁舎で働く人々にEquity(均衡)やJustice(正義)を貫く行動が見られるからです。

おそらく、日本でもボストン市と同様に住民のことを第一に考える市長や自治体は存在するでしょう。しかし、本作でウォルシュが述べるように、「多くの人は市が何をしているか知らない」状態なのかもしれませんし、EquityやJusticeを考えすらしないで、何もかも「自己責任」で片付けさせるような「まともでない」な首長や自治体の方が目立っているだけなのかもしれません。
後者を完全に否定できないところが悲しいところではありますが、、、

公共サービスや公助とは何かを考えさせられる作品でした。
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