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オートクチュールのshimaluckyのレビュー・感想・評価

オートクチュール(2021年製作の映画)
3.5
この映画は、新旧の大女優の演技が全てだ。

「ディオール」のアトリエ、孤高の張り子「エステル(ナタリー・パイ)」が、街で「ジャド(リナ・クードリ」にバッグをひったくられるところから話は始まる。引退直前のエステルは、類稀なソーイング技術を持っているジャドに未来を感じ、自分の後継者として厳しく訓練していく。

新旧
白人と移民
階級者

分かり易い対立軸を使い、男性との恋愛など無駄なものを入れず、シンプルな仕上げにしているのは、潔く気持ちが良い。構成もストーリーも王道でありながら、古臭く感じないのは、普遍的なテーマであることと女優の演技力、そしてフランスの伝統「オートクチュール」が話の軸だからだろう。

ナタリー・パイは、既に還暦を超えていながらも凛とした強さと色っぽさを兼ね備えている(いや、1948年生まれということは?!)。対してリナ・クードリは、あどけない顔に意志の強い目が武器だ。リナ・クードリは「パピチャ 未来へのランウェイ」でもファンションを勉強する学生の役でものすごいインパクトがあった。イスラム社会のアルジェリアで女性の権利主張を訴える姿が私の脳裏に焼きついた。これからの活躍が楽しみな女優である。


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