なおきち

アザー・ミュージックのなおきちのレビュー・感想・評価

アザー・ミュージック(2019年製作の映画)
3.5
「ライブに行くこと、レコードで聴くことはフィジカルなんだ」この店の店主、店員、客、棚に曲を置いてもらったミュージャンが異口同音に言う。2016年6月25日閉店した「アザー・ミュージック」ニューヨークでの21年の歴史と最後の6週間のドキュメンタリー。とにかく、ミュージシャン、ミュージックへの熱を浴びる90分。

「他店なら『ワールド』と分類される音楽が、音楽好きの分類でさらに細かく分かれている」「音楽好きを自称して店員になった。でも、この店の新入りの儀式である店に置いてあるミュージャン全ての書き取り、あれで思い知らされた」「店のライブは無料だった」インタビューのシャワー。そして、1人の店員が言う「この店の店員は、みんな音楽好きの変なネコ」。言い得て妙だ。

この作品で、一貫して店員は「家族」と仲間を呼ぶ。共同経営者のクリスとジョシュは、常に従業員の給与を優先していて、2003年は無給。それぞれパートナーに生計を立ててもらっていた。

「はみ出しもののチャンピオン」が潰れた。潰れた後のfarewellコンサートにいる人たち、そしてオノ・ヨーコ。そのうち何人がこの店に本気だったのかな。

映画館の音響と、映画でかかる曲のせいと思うが、高音がキンキンしていて、途中からしんどかった。

追記
9.11は文化的な節目としても大きかったのだと知る。アナログからデジタルへの移行期に重なるだけでなく、9.11のための音楽が作られたほか、厭世観からのロック復活などがあったという。
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