ブラックユーモアホフマン

アクアマン/失われた王国のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.7
最初の南極で、ランドール・パークがカメラのシャッター切った時の「キュイーン」って音は、『悪魔のいけにえ』だね。

ランドール・パークって同じ役で前作にも出てたのか!!全然覚えてねえ!笑 なんせ前作がもう5年前ですか?内容全く覚えてなくて、でも意外と前作のこと覚えてないとついていけないところ多くて、マイった。困った。
でもこんなにランドール・パークが活躍するとは思わなんだ。マーベル俳優なのに。

ジェームズ・ワンのファンとして、『死霊館』以降の監督作は必ず映画館で見てきたのに今回だけ逃すわけにいかず、しかし今回ばかりは忙しいのもあり、あともうさすがにアメコミ映画に飽きたのもあり、見逃しそうだったところ、ギリギリなんとか滑り込んだ。

敵が完全にホラーテイストで、こんな大作にも監督の趣味をぶち込めるなんていいなあーと思った。でもジェームズ・ワンって今まで心霊ホラー多めで『ソウ』と『マリグナント』が例外的かな、くらいだったから案外ああいう所謂ゾンビというか、死体が動く系の怖いやつって見たことない。ホラー映画だとああいうのって何?エディ・マーフィ版『ホーンテッド・マンション』クライマックスのカタコンベのシーンとか、くらいしか思いつかないけど、”ホラー映画”と呼ばれる以前の怪奇映画に出てくるようなクラシックな化け物、って定義であってるのか?『ハムナプトラ』とかも思い出したり、ハリーハウゼンのストップモーションの骸骨みたいな。あれより腐ってる感あるけど。あと『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』でアラゴルンに味方する亡霊軍団とか。TRPGのキャラみたいな、ホラーというよりファンタジー的な。

『ハムナプトラ』といえば、敵のクリーチャーの感じはスティーヴン・ソマーズの『ザ・グリード』みたいだった。海中だし。今回スティーヴン・ソマーズ感あったかもな。『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のクラーケンとか『トランスフォーマー/リベンジ』のデバステーターみたいな歯いっぱいデッカい系クリーチャーでもあった。

前作に続いてクトゥルー感、ラヴクラフト感もありつつ、今回特に感じたのはジュール・ヴェルヌ感というか東京ディズニーシーのミステリアスアイランド感。映画は見てないけどディズニーの『アトランティス/失われた帝国』とか、さすがにモチーフが同じだからデザイン面はすごい似てる。

あとやっぱこれも前作に続いて”深海のスター・ウォーズ”って感じ。マーティン・ショートがやってたらしい、あの海賊の棲家のボスみたいなのとかジャバ・ザ・ハットすぎるし、バンドが演奏してるのとかも、なんかもうさすがに「はいはい、いつものお決まりのやつね」って感じであんま面白く感じなかった。

で内容とテンションはタイカ・ワイティティによるソー2作の感じ、特にラグナロクって感じで、これもまあ新鮮味はない。ジェイソン・モモアもパトリック・ウィルソンも好きだけど。”ロキ”って言っちゃうんだ、と思った。それ、言っちゃったら負けじゃない?髪型も似てるし。髪色は逆で。

しかしそこまでしてパトリック・ウィルソンを出したいか、っていうジェームズ・ワンの愛の深さというか、執念深さはすごい。そこがこの映画で一番好きなところ。ちなみに絶対、実年齢はパトリック・ウィルソンの方が上だから、ジェイソン・モモアの方が弟に見えて仕方なくて、終始ずっと混乱しながら見てた。どうもそこも納得できないけど、もはやそれすらジェームズ・ワンの執念。年齢とか知らねえ、ウチのパトリックを捻じ込むんじゃ、という。

舞台が多いのもワケわかんなくなった。今地上なのか水中なのかさえ分からなくなった瞬間あったし、何のために闘ってるんだかも分かんなくなった。疲れててあんま集中できてなかったかも。

【一番好きなシーン】
踏み止まる博士。