メシと映画のK佐藤

アクアマン/失われた王国のメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

DCEUのラストを飾る事になった本作。
個人的には前作でやっていなかった事を色々やっていて前作より面白いと感じたものの、ずば抜けた面白さと云う訳では無く、面白かったよねで終わってしまっている作品でした。DCEUの最終作としては、この内容ではちと物足りないかと。

いつの間にかメラとの間に子を設けてパパになっていたアーサーが、子育てと海底王国の王の二足の草鞋に四苦八苦する様。
前作ではヴィランであったオームと組んで、ブラックマンタ及び彼の背後に潜む新たな敵・亡王コーダックスに立ち向かうと云う「かつての敵と組んでより強大な敵と激突する」バトル物の少年漫画の王道展開。
ブラックマンタ誕生のきっかけとなってしまった彼の父親殺しに関して、ケジメをつけようとしたアーサー。
内容の薄さにしてはダラダラと長かった上映時間の短縮。
上述の前作に無かった要素・改善された部分があり、個人的には前作よりも楽しめた次第です。
特にアーサーとオームの「君達そんなに仲良かったのね!」と思うやり取りは、観ていて可笑しくて微笑ましたかったです。
恐らく多くの方は、二人の関係性にMCUのソーとロキの関係性に類似点を見出していると思うのですが、本作ではその事についてちょっとしたお遊びが用意されているので、MCUのファンも必見かと。
罪人なので最終決戦後はアーサーらの手引きで死んだ事にされて自由の身となれたオームですが、その前にアーサー、アトランナ、オームの母子の隔たりの解消を観れたのも良かったです。

ただ、DCEU最終章として観ると物足りない。
「ザ・フラッシュ」であれだけの事をやったのを見せられると、余計にそう思います。
アーサー、オーム、ブラックマンタ以外のキャラの登場時間の短さ。
他のDCEU作品との絡みが一切無かった事(アトランティスが人類の前に姿を現して友好関係を築こうとして行くところで幕切れとなりますが、これだけのビッグイベントにスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンが介入しない訳が無いと思います。)。
エンドロール時のお楽しみ映像が、アーサーから勧められたチーズバーガー、そして地上の美味しい品と吹き込まれたゴキブリを嬉しそうに頬張るオームのみであった事。
消化試合として作られた感が、作品全体から伝わるのがちと辛かったです。
恐らくDCEUが続いて行くのならば、他作品との絡みも拝めていたと思います。

マーベルとは真逆の結果となってしまったDC。
果たして、ジェームズ・ガンによる新体制ではどうなって行くのか…期待半分不安半分で続報を待ちたいと思います。
…出来れば、DCEUで主要ヒーローを演じたキャスト陣はそのまま続投して欲しいなー…。