モモモ

レミニセンスのモモモのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.5
不意をつかれる低評価が出揃っても「でも、リサ・ジョイが脚本監督なんでしょ?」と期待せずにはいられなかった作品をやっと鑑賞。
正直面白くは無いんですが庇いたくなる作品でした。
偏愛とまでは行かずとも、やりたい事、閃いたアイデアをかなり明確にラストで観せてくれたので劇場を出る時の心持ちは軽かったです。
「記憶を映像として追体験」させるSF装置を存分に活かした結末、映像表現、演出で「これがやりたかった!」と言う強い意志を感じた。
そこまでに辿り着くまでがかなり難があり、3幕構成を綱渡りしていくシームレスさは見事なのだが展開自体はかなり強引で、キャラクター描写が煩雑で魅力が乏しいし、アクション演出は目も当てられないし(終盤で唐突に「オールドボーイ」オマージュをしてビックリしたが)、会話シーンは単純なバストショットのカットバックのみ。
小説だったら十分に成立していたのだろうが、映画としての変換が上手くいっていない。
「未来を生きよう!」「現実を生きろ!」と言った帰結を押し付ける訳ではない「過去に逃げてもいい」を肯定するバランス感覚は大好きなのだが。
何だか勿体ない映画だったなと思います。
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