まっぴ

レミニセンスのまっぴのネタバレレビュー・内容・結末

レミニセンス(2021年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

設定とノーランの弟と言う売り込みからインセプション?インセプションの二次創作的なものを見れるのかしら?と期待してしまったし期待した層は多いと思われますが、何か別物でした。

インセプションはやはり傑作なんですね。あの世界観と作り込みでその道のプロ達が集まってデカい仕事に取り掛かるぞって言うワクワク感はすごかった。続きがあればもっとあの世界観に浸りたいと今でも思ってます。だがインセプション2とか安っぽい事はしなさそうなので、似た映画で済ますか…と言う不純な動機で鑑賞でした。

まず、主人公のニックはあらすじにあるような暗躍エージェントでも無いし私情流されまくり恋愛脳迷惑野郎だと思いました。
バトルシーンが都度都度入るのが強いっしょ?と言うアピールなんだろうけどちょっと中だるみもあり古さを感じさせました。
記憶侵入とか格好良く言ってますが投影された映像を見るだけで侵入とは…?というグレードダウン感もありました。

ストーリーのキーとなるヒロイン、メイが描写は綺麗で歌も良かったんですが「ぽっと出感」が拭えなかったのがいまいちだったんでしょうか。
ヴィランがお前の想像も付かないあの女はもっと恐ろしい女なんじゃー的な遠吠えを放つんでワクワクしてみたけれどそいつの記憶を辿ると…実は子供を助けてたしニックを愛してた…!みたいなやだ尊い…泣て言わせたい展開だったんですが「ふーん」てなりました。
ファム・ファタールとしては三流の描写だなと。
どうせなら子供も始末して悪の華として街を支配するメイ、みたいな振り切った落ちだったら良かったな。
あと助けるならステラも助けたげてよ…と言うモヤモヤも。

最大にモヤモヤとしたのは長年ニックを支えてきただろうピンチの時にも駆け付けて命張ってくれたワッツの扱いでしょうか。
ラストの方でニックがワッツのところに戻って来た描写はあ、エモいかも…と思ったんですが俺はメイとの楽しい思い出に生きるからシクヨロ!みたいなエンドに繋がってて何…この男…てなりました。
ワッツの「女」を都合良く利用されている感じとこの迷惑カップルのための踏み台感が強く、判官贔屓が強いので…どうも合わなかったなぁと。
魅力不足なんでしょうね。

いっそワッツをモーガン・フリーマン辺りにして孫に囲まれたワッツがニックを見守るエンドのが良かった…と観た私が二次創作をはじめてしまうという始末でした。

ただ水に沈んだ都市と言う世界観や記憶装置の描写は良かったです。
良い監督は世界観を作るのが上手いと言うのが持論です。
まっぴ

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