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英雄は死なないのtetsuのレビュー・感想・評価

英雄は死なない(2019年製作の映画)
3.0
オンライン映画祭"マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"にて鑑賞。
(本作を含む長編作品は、アマプラ、U-NEXTなどで配信中。)


[あらすじ]

見知らぬ男に声をかけられたことがきっかけで、自分が「死んだボスニア・ヘルツェゴビナの兵士の生まれ変わり」だと信じるようになった男・ジョアキム。
その真相を確かめるため、友人たちと、その首都・サラエボへ向かう彼だったが……。


[感想]

主人公の身に起きる怪奇現象を捉えた冒頭の記録映像から、ドキュメンタリー映画制作チームのロードムービーへと発展する一風変わったフランス映画。

「ドキュメンタリー映画の制作チーム」に密着した題材そのものが、かなり、メタ的な作品ではあるので、内容が気になって、最後まで観てしまうが、結論には、モヤっとした印象も残るため、レビューの全体的な評価が低くなってしまっているのも納得ではある。

しかし、「嘘から出た真」という言葉が頭をよぎるクライマックスには、興味深い部分も感じたので、決して、駄作であるとは感じなかった。

『燃ゆる女の肖像』など、セリーヌ・シアマ監督作のミューズ・アデル・エネルさんが登場しているだけでも、かなり画的に嬉しいものがあったが、やはり、セリーヌ・シアマ監督ほど、彼女を魅力的には映せていないということも実感した。

監督の過去作でmyfffにも出品されていた短編『皇帝よ、永遠なれ』と比較をするのであれば、「過去の人物の生まれ変わりだと信じこむ主人公」 、「そんな男性を支える女性」、「過去の史実」という要素が共通しており、「周囲から理解されがたい人物の苦悩」を描きたいのではないかと感じた。

ストーリー展開や結末が、より深まれば、かなり、化ける監督のようにも感じたので、ぜひ、その点が改善された次回作が観てみたいと思った。
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