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SNS-少女たちの10日間-のとぽとぽのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
5.0
"【自分だけ】今がよければ全てよし"!
一日や一時(いっとき)の興奮、一瞬の快感のために、誰かの一生をメチャクチャにして、命をも奪う取り返しのつかないことを気にもかけず、若い女性性を搾取する構図は変えられないのか?
《若さ》それ自体に絶対的価値 = "ブランド力"を見出し、少女の《無防備さ》= "容易さ"に飛びついてたかる世界/現代社会の根深い闇に迫りメスを入れる!

残酷にも(逆に)"普遍的"ですらあり、技術の進化と共にそれが顕著に更に拍車をかけて悪い方向へと進んでいる問題。というか犯罪そのもの。己の欲望のまま生きる男たちが、絶対的に身体的有利性を担保された少女(でなくても高校大学生くらいまでの10代の女の子たち)にいかにおぞましい言葉を浴びせ、すぐに見せつけ/見て、拡散し(ex.ネットタトゥー)、会えば確実に性的関係を迫るか。如何にそういう方向へと持っていくかを赤裸々にドキュメントする、昨今さも当たり前かのように目に余る勢いで蔓延した異常性を捉えてみせる。

私が12歳でも大丈夫?絶句…気持ち悪すぎて鳥肌立った
「君の胸を見せてよ」
なんで開口一番いきなり(※"いきなり"じゃなくても無論断じて許されません)チャットで聞くに堪えないおぞましくい話や質問をサラッとぶつけたり、映像つながった瞬間に当然のように"触っている"自慰しているのか?本当に性欲以外の感情が欠如しているみたいに、相手の子供への影響なんて何も考えず、自分の欲望を満たしたいだけの捌け口/道具として使い棄てる赤裸々なさまに悪寒と吐き気を催した性的虐待のオンパレード。こんなことされて癒えるはずもない深い傷を負うことになる、そんなこと微塵も気にする素振りもなく、本当の本当に自分のことしか考えていない男たち。彼らは少女たちが急に通話をやめて消えても罪悪感も後悔の念も感じないのだろう。たとえ自殺しても、自傷行為などに走って精神科に通って…とその後の人生をすべて狂わせることになっても。死ねばいいのに、ってか死んでくれ。

「嫌なら写真を晒す」
なぜ12歳の子にペニスの写真を送る?"好き"って言葉の意味わかってる?"強要するつもりはない"という脅迫。要求を断れば、"ママに送りつける"。言うまでもなく性的強要は犯罪。立ち直りようのないくらい深く傷つけるか、こんなもの見てて不愉快どころの騒ぎじゃない。こんなの許していいわけない、赦せるわけもない。(子供や)孫がいる人でもそうだから異常すぎる、"もし我が子だったら…"とか考えないのだろうか?だけど、広告収入が減ると最悪だから、サービス提供者がなにか起きても良い余地を残しているシステムの穴。ネット上に氾濫した暴力に対して親のできることはしっかりと子供と話し合うこと。最終的には警察も動かした表現の責務と可能性に心底面食らった。

「会おう」
"もっと意味のあること"?"他に対処すべき問題"?そんなものあるか、性的被害よりも何よりも優先されるべきことなんて無いに決まってる。育ちの良さなんて関係ない。"別に俺の子じゃないから(どうでも/どうなっても)いい"という暴論極まりない無茶苦茶な主張・自己弁護。けど、ある意味では無自覚の予備軍含め"人の振り見て我が振り直せ"。極論言ってしまえば、男全員がそうなる危険性をどこかに持っているとも思うわけで、だから人としての良心や自制、いつだって人の道を踏み外さない一線の大切さ。誰にでも欲望はあるけど、他人に迷惑や実害かけたら絶対に駄目。人としてまっすぐ生きたいという気持ち/想いを改めて再確認して、強くした。

Lord of the North
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