ツクヨミ

黄龍の村のツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

黄龍の村(2021年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

阪本裕吾監督って映画好きよりアニオタに受ける気がする。
田舎でキャンプをするためにレンタカーで走る8人の若者たち。ところが林の中でタイヤがパンクしてしまい…
阪本裕吾監督作品。シネモンド"阪本裕吾監督特集"にて鑑賞、阪本監督初のヤバイ村系スリラーと言われてみたがまんまと騙されました。前半はシュールな村の世界に含み笑いしながら見ていたが徐々に不穏な雰囲気からの惨劇はなかなかに恐ろしい…しかし本番は後半で最高のどんでん返しが待っているとは。そこからは阪本監督お馴染みのバイオレンスアクションが幕を開け最高にアガるジャンプ漫画のような王道展開に飲み込まれるような映画だった。
そして凄いのはオープニングからで手持ちスマホカメラで映される陽キャのはちゃめちゃ騒ぎから始まる、しかし謎の村の入り口に入った途端に画面が横に伸びる演出が素晴らしく惨劇の予感を感じさせるのだ。またこのオープニングはエンディングと対になっていて若者が楽しく騒ぐから始まり楽しく騒いで終わるというシンメトリー構成が実に映画的だった。そして内容としても前半はスリラーでどんでん返しを挟んで後半はバイオレンスアクションという構成も面白い。
また今作は実にアニオタに受けそうな日本サブカル要素が満載である。舐めてたやつが実はめちゃくちゃ強かったとか、男は男・女は女で戦ったりとか、姉がピンチの時に妹が助太刀に来るとか、ベタであるがこういうの好きな奴には堪らない要素がてんこ盛りでハマったらとことんハマるそれが阪本裕吾作品の魅力だと改めて感じた。そして"最強殺し屋伝説国岡"に出てたキャストが同じようなキャラで出演していたりとファンサービスも満載、阪本裕吾作品に伊能さん出過ぎでしょ最高か笑。
阪本裕吾監督ではなかなか変化球だったが、やっぱり基本的な要素である笑いと軽いノリとバイオレンスアクションは絶対ある。そんな映画作家性が大好きです。
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