いろどり

ランド/再生の地のいろどりのレビュー・感想・評価

ランド/再生の地(2021年製作の映画)
4.2
これはとても良い映画だった。
何もかも無理だと思ったことのある人には刺さる作品だと思う。

本当に人生に疲れたときに、死を選択する前に、人里離れた場所でひっそりと暮らす。
ただ生きることに没頭する。
これができるのはアメリカならではかもしれない。

広大な大地、厳しい自然と対峙するのみ。
自分の悩みなんてちっぽけなことだなんて簡単に思えないのが現実。いつまでも付きまとう過去の幻影に苦しんで、猟銃を自分に突き付けて泣いて苦しむのが現実。
自然からエネルギーをもらってまた一から頑張ろうと思えるようになるなんて、そんな簡単なことじゃない。

抱えている問題によっては、同性より異性がそばにいることで再生できることがあると思う。
自然と犬とときどき異性。
ぼろぼろの人間にとってこれは一番の薬なのかもしれない。
大自然の中でお風呂に入るってきっと最高。

ある程度、色々な経験をして、酸いも甘いも嚙み分けているほど心に沁みる作品だと思う。


フランシス・マクドーマンドが似合いそうな役、捨て身のロビン・ライトが素晴らしかった。
監督としてもこんなに才能があるなんて、と思ったらこれが初監督らしい。
深みのある演技、深みのある作品に仕上がっていた。
もう少し長くても良かったと思う。

数十年後にもう一度観たい。
その時は、泣いてしまうかもしれない。
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