つぐみ

ランド/再生の地のつぐみのレビュー・感想・評価

ランド/再生の地(2021年製作の映画)
4.0
仕事のために「デブラ・ウィンガーを探して」を見返してたんだけど、20年前のロビン・ライト・ペン(当時はペン姓を名乗っていた)は、仕事のオファーを受けるのに旦那に遠慮があった旨の発言をしていて、ペンに裁きをと真剣に思ったのよね、こんな素晴らしい女優を家庭に閉じ込めるとか何事かと。その時の演技に対する枯渇はずっと消えないでしょうというコメントがあまりにも切なくて、いま彼女はどうしてるかなと最新フィルモグラフィー見たらなんと監督デビューしてたわ。

これがまた処女作品とはいえ、若手が撮った安っぽい感じではなくて(それはそれでいいんだけどサ)、派手さこそないものの、じっくり魚介から出汁を取ったスープのような澄んだ味わいでした。ワイオミング(撮影はアルバカーキらしいが)の風景もリッチで、カントリーミュージックも心地よく、元夫ペンが映画監督でもあることがきっとロビン・ライトのクリエイティビティにも影響したんだと思う。

話自体はすごくありふれた、というと失礼だけど、2時間引っ張れるクオリティでいえばそりゃノマドランドに軍配ですが、90分で伝えられるのなら引っ張る必要なし、ミニマムでよろし。次回以降もっと演出に凝れるようになってからランタイム伸ばしたらいいじゃんね。女優が監督もやるってことにめちゃくちゃ意義があるので私としては1億%アグリーです。シャーリーズもマーゴもガル・ガドットさんも自分で撮って欲しいな。

私も農業をやりたいと思って幾星霜。「そんな甘いもんじゃない」って言われるけど、甘くなくても、興味があるならやってみようと思える土壌がある方がサステナブルだよね…
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