荒野の狼

オキシジェンの荒野の狼のレビュー・感想・評価

オキシジェン(2021年製作の映画)
1.8
いわゆる「頭でっかち」を窘(たしな)める場合に「大事なのは知識じゃなくて、知恵なんですよ」という人がいる。大方(おおかた)の人は頷(うなず)くようだが、間違いである。そもそも知識と知恵は比較できる概念ではない。それぞれが持っている「値打ち」が異なるのだ。簡単にいうと、知識の武器は「量」であり、知恵の武器は「質」なのです。知識は多ければ多いほど威力を発揮する。一方知恵はレベルが高ければ高いほど輝きを増す、つまり知識はその「広さ」で勝負し、知恵はその「深さ」で勝負する訳である。いくら知恵が大事と言っても浅知恵・猿知恵ではしょーがない。
さて、こんな「理屈」で何を言おうとしているのか、そう、「ハート」が無ければ伝わらない。デジタルとアナログの事なんです。両者は敵対するのではなく共闘してこそ力となる。
この映画がツマラナイのは、そこに「広さ」しかなくて「深さ」がないからで、映像的には知識や知能は駆使されていても、人間に対する洞察を軽視した結果、作品自体が輝きの無い底の知れたモノになってしまった。
荒野の狼

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