じっくりと細部描写された毎週分の積み重ねにより感情移入がしやすい民放ドラマ版との比較は、今回は土俵が異なるので割愛。
個人的に、父子よりも母子関係に目がいってしまう性分のため、女将たえ子周辺のエピソードには特に心揺さぶられた。作品中のほんの短い尺だが、薬師丸さんと木竜さんの多くを語らない演技、またそれを見守る男たちのおろおろ加減やナイスパスっぷりが見事だった。
もちろん主題の父子関係も見応えたっぷりで、阿部さんと北村さんは顔の系統もそう遠くないので(笑)、無理なく親子に見えて相性も素晴らしく。
派手な展開ではないが、鑑賞後に家族や友人や地域の人…誰かしらの顔がほんのり浮かぶようなこんな作品が、温もり恋しい今の時勢にはありがたいと素直に感じた。
